「きょーちゃんっ」



「おー。ひさびさだな、蒔」



「おひさしぶりです、っ」



休日にデートするといっても、毎回早朝帰宅するお母さんに蒔の面倒を見てもらうわけにはいかず。

たまにある我が家でのお家デートで、蒔はすっかり恭に懐いていた。



わたしがお昼ご飯を作ってる間に、恭の膝の上に座って甘えてる蒔を見て、微笑ましいとは思うけど、ちょっぴり羨ましい気持ちもあって。

小さい妹にまで妬いちゃうなんて、らしくない。



「……蒔ばっかり構っちゃやだ」



蒔がお昼寝してる間。

そんなふうに甘えてみたら、恭は不敵な笑みを浮かべて、ちゅっとわたしにキスを落とす。




「俺だって同じこと思ってるっての」



「……? なんで……?」



「飯作ってもらって、面倒見てもらって。

風呂も寝るときも一緒。……ずるいだろ?」



「……へんたい」



たしかに蒔とわたしはずっと一緒だけど。

お風呂も一緒に入るし、寝るときも一緒だけど。



「ん……」



お互い蒔に妬いてるなんてなんだか笑えてきてしまって、彼の首裏に腕を回して、キスに溺れる。

徐々に甘い吐息が漏れて、くらくらする。