「お待たせ恭ちゃん!」
「予定よりペース遅いんじゃないの?恭」
無事に到着したらしい、二番隊となずな。
今のところ特に何も起こっていないことを伝えれば、なずなは「了解」と口角を上げて。
「一番隊、引き続きこの場で応戦。
二番隊の半数は一番隊の応援に、残り半数はチカと俺と内部に潜入。片付き次第、内部で二手に分かれる。以降の指示はその都度出す」
落ち着いた指示に、各々了解の返事をする。
なずなとチカは、二番隊の半数を引き連れて工場の奥へと入っていった。
「ったく、キリねーっつの!」
いくら相手が武器を使おうが、藍華は自分の身だけ。
体力的にも限界があるが、二番隊が応援に来たことで数はあっという間に減っていく。
「なずな、こっち片付いたぞ!」
「おっけ、一番隊、二番隊、ここで応戦して。
……恭、奥まで一気に駆けるよ」
「了解っ。
全員、ふたりを通す道作るよー!」
まあ当然といえば当然だが、最奥に幹部たちがいるらしい。
なずなの指示通り、一番隊と二番隊が道を作ったのを確認して、俺となずなでそのまま奥へと駆け抜ける。
「……急に誰もいねーな」
「不自然だよね、まったく」
最も入口に近いスペースと、その奥二部屋。
そこに集中して敵がいたものの、駆け抜けた奥には人気が全くと言っていいほどに無い。



