言われて、目を開ける。
眩しさに何度か瞬きしたあと、目の前に恭がいて。
「っと、あぶね」
ぎゅうっと抱きつけば、優しい顔でわたしの頭を撫でてくれた。
それにホッとして、涙がこぼれ落ちる。とても怖かったから、助けてくれて、すごく安心した。
「あすみの指示通りだな~。
……コイツらどうする?藍華連れてく?」
「相手に、"こうなりましたよー"って見せしめにすればいいとおもうよー?
でもみんなバイクだし連れて帰れないねー」
「ロープとかあれば結びつけて引き摺れそうだけどねえ」
なんだか後ろでふたりが怖い話をしているような気がするけれど。
すこしそのままで泣き止んでから顔を上げると、恭が「大丈夫か?」と聞いてくれる。
「……うん、」
「今回は、ちゃんと守ってやれたな」
何も無くてよかった、と。
恭が安心したようにそう言ってくれるから。
「はい、おふたりさん?
イチャつきたいのはわかるけど今じゃねえな~?」
その距離をもっと詰めたかったのに、暖くんに止められる。
……でもまあ、ここって公共の場所だもんね。
「鞠、家まで送る。
いくらなんでもお前の家まで攻め込んでくるようなバカはいねーからな」
「ってことでお供してやるよ~。
ま、ここで返り討ちにされた情報なんて共有されてねえし、応援なんて来ねえだろうけど?」



