「ちなみに、さっきのお芝居は出くわしちゃったからここでもうネタばらししようと思って頑張っちゃった。

真面目に信じてくれてありがとう、恭くん」



「……わたし嘘つくの苦手だから。

ほとんど黙ってたんだけどごめんね、リカちゃん」



「ううん。

鞠ちゃん黙ってた方がそれっぽかったし」



女同士で、お互いを褒めあって楽しそうにしているふたり。

やっぱり、なんか怖ぇよこのふたり。一見、仲良くならなさそうな組み合わせなところも含めて怖い。



「ねえねえ、やっぱりプリクラ撮らない?

バレちゃったけど、はじめて会えた記念に撮ろうよ」



「ふふ、もちろん。この後みんなどうするの?」



俺らのことなんて眼中に無い鞠とリカ。

でもまあ、俺とあすみが彼女を放ったらかして、別の場所なんて行くわけもなく。




「なんかすげー疲れた」



「そう? 楽しかったじゃない」



「楽しかったのはお前とリカだけだよ」



散々ふたりの行きたいところに付き合わされ、振り回され、メシを済ませてようやく帰宅したのはそこそこの夜。

鞠も家に帰るのかと思いきや、そのままウチに着いてきた。



ぐったりする俺を横目に、さっき撮ったばかりのプリクラを眺めて楽しそうな鞠。

……なかなか女友達と遊ばねーの知ってるから、気持ちはわかるけど。それとこれとは別問題だ。



「お前あとで覚悟してろよ。

俺のこと騙してた分、絶対泣かすまで抱くからな」



「!?」



【恭くんと女の子】



鞠リカコンビ、混ぜるな危険。

化学反応があまりにも強すぎるこのふたり。このあと何度も何度もダブルデートに誘われる羽目になることを、恭とあすみはまだ知らない。