【完】STRAY CAT




「……んで、お前は俺のことどう思ってんだよ」



「好きだけど?」



パフェをつつきながら返すと、恭が不服そうに「はあ?」と声を上げる。

いまパフェのアイス落とさないように崩すの頑張ってるんだから、ちょっと待って。



「どうせ友達だから好きとかそんなんだろ」



「……いや、別れてからも好きだけど」



「は?」



アイスを細かくしてから顔を上げたら、恭が何を言われてるのかわからないって顔でわたしを見ていた。

ちなみに同じことを言われたら、わたしだって意味がわからないと思う。




「……だから、ずっと恭のこと好きなんだけど」



「でもお前、あいつと結婚するって、」



「ああ、うん。言ってた。

紘夢に婚約者になってもらおうと思って」



「……なんで婚約者が必要なんだよ」



さっきとは違う意味で不服そうな恭。

付き合ったはいいものの、いずれは別れなきゃいけないのかもしれない。……そう思ったら、自然と口を開いていて。



「父親が見つかったの」



ようやく、あの日の答え合わせがはじまった。