「……え、別れたの?」



「うん」



夏休みもお盆を終えた翌日。

その日は藤二の登校日だったため、休みの蒔には申し訳ないけれど午前中から児童館に行ってもらった。そして登校日といえどホームルームで終わってしまうため、お昼には終了。



児童館からの帰宅時間は、いつも通り夕方。

ということで、めずらしく果歩とお昼ご飯を食べに来た。



「今日も一緒に登校してきたのに?」



「それはまあ……同じマンションだし」



カフェのパスタを半分くらい食べたところで紘夢とのことを聞かれたから、素直に別れたと伝えた。

ちなみに、果帆の綺麗なハニーブラウンの髪は夏休み中にばっさり切られて、ボブになっている。




「……そういうことだから。

果歩も、もう遠慮しなくていいからね」



「別に遠慮とかしてたわけじゃないけど……

いいの? あんなに大事にしてくれてたのに」



「……わたしはわたしで、頑張ろうと思うから」



そう言うと、果歩がぱちぱちと目を瞬かせる。

それから、「好きな人できたの?」と聞いてくる果歩は、本当に真っ直ぐな女の子だ。



「……できたっていうか、」



対するわたしは、いつまでも素直じゃなくて。

たまには見習わなきゃいけないのかも、と思いながら、ゆっくり口を開く。



「中学のときに、付き合ってた人」