「遊んでさすがに疲れたか?」



恭と買い出ししてみんなのところへ戻り、結局みんなで一緒にたこ焼きや焼きそばなどのご飯を食べ。

食欲を満たしてすこし休憩したあと、わたしに代わって恭が蒔の相手をしてくれている今現在。チェアでゆっくり休めばいいと恭が言ってくれた。



隣に座っているのはあすみくんで。

ずっとプールに入りたくなさそうにそこに座っていたはずのなずなくんは、恭がプールに入るのと同時に引っ張られていった。



「……ううん。

むしろ、みんなのおかげで余裕があって元気よ」



恭が買ってくれたドリンクのストローに口をつける。

紘夢は当然だけどみんなと一緒にいたくないようで、すこしその辺を散歩してくるとかでこの場から離れていってしまった。



「……その割に浮かない顔してるな」



本当は、紘夢について行けば良かったのだろうけど。

……どうにもそんな気分じゃなくて、少し休むからと断った。




「恭が、一緒に過ごす一日が欲しいって。

……さっき、そう言ってくれたの」



「……あいつもたまには素直に誘えるのか」



触れられたところが、熱い。

掴まれた手首も、重ねられていたくちびる、も。



「ねえ、あすみくん」



恭が女の子ふたりに声を掛けられていた時、咄嗟に彼を助けるような真似をしたのは、何もただ助けたかったという純粋な気持ちからじゃない。

……わたしが、嫌だったから。



「自分のきもちに、負けそう……」



三角に立てた膝に、顔をうずめる。

もう一緒にはいられないと決めたはずなのに、恭がまっすぐな気持ちをくれる度、何度も戻りたくなる。