「蒔、その男の子のことすげえ好き?」
「だいすき!」
……鞠がちょっとショック受けたような顔してんだけど。
これは鞠に何か言ってやったほうがいいんだろうか。
「蒔。その男の子、どんな子なの?」
あ、これはショックよりも心配が勝ったな。
相手を見たわけでもないけど、一応かわいい妹のためを思って判断しておいてやろう、的な。
「んーとねぇ、」
そんな鞠のハラハラした心情なんて、知る由もなく。
蒔は考えるそぶりを見せてから、思いついたように言葉を並べていく。
「かっこよくてー、やさしいの」
「………」
「蒔のこと好きって言ってくれるよー」
鞠が露骨に不安げな顔を見せるから、おもわず笑ってしまいそうになった。
目で俺に「どうしよう」って言ってる。でも俺が広げたかったのは蒔の好きな男の話ではなく、俺と鞠が付き合っていることだ。
「学校の子?」
このままじゃ頭を抱えそうな鞠を見かねて、そう蒔に尋ねてやれば。
蒔はきょとんとして、「ちがうよ」と答えた。
「きょーちゃんのことだもん!」



