そうやって強がろうとするのが、ハセの悪い癖だ。

目を合わせると先に逸らしたのはやっぱりハセの方で、それを見れば納得していないのは瞭然だった。



「……付き合ってるなら。

そういうとこも見せないと、絶対に疲れるわよ」



「……見せたら、お前俺のこと好きになれねえよ。

分かっただろうけど嫉妬深いし、そもそも俺自己評価低いし、どっちかというとめんどくせえと思うけど」



「あら、わたしだって大概だけど?」



見つめ合って、それからなんだか馬鹿らしくなってきて、ふたりで笑ってしまった。

この状況も、お互いの自虐も、色々間違ってる。



「あー……なんで俺のことそんなに好きにさせるかな」



はあっ、と。

わざとらしく落とされた割には、妙に明るいため息。




「ごめん乱暴なことして。……優しくするから」



「ほんとに優しくしてくれるなら、解放して?」



「無理。

この状況で普通に過ごせる男がどこにいんだよ」



ちゅっと戯れるように重なるくちびる。

その宣言通りわたしを部屋に連れ込んだハセは、優しく丁寧に触れてくれた。



「なあ、」



「んっ?」



「……俺の親に、彼女だって紹介していい?」