「兎羽には最高の武器を用意したから。」
レオ先パイが笑顔で持ってきたのは書道セット。
「俺が会話するから、
兎羽は指示された字を書いて。
それなら大丈夫でしょ?」
「はい…!」
言われた文字を書くだけなら私にもできる!
レオ先パイが留学生と会話を始める中、硯や筆の用意をする。
普段自分が使ってる物ではないから、最初はうまく書けないかも…。
「"マツリ"って書ける?
お祭りとかじゃなくてジャスミンの和名の方。」
「すみません、字がわからないです…。」
「くさかんむりに未来の未で茉、
くさかんむりに利用の利で莉。
いける?」
「はい!」
レオ先パイに言われた通りの文字を丁寧に書く。
わっ!この筆すごく使いやすい…!
「この人の名前の由来がジャスミンなんだって。」
「そうなんですね…!」
書けた半紙を乾かしつつ、英語と日本語を巧みに使いこなすレオ先パイと会話する。
それにしてもすごいなぁ。
英語で会話するだけでも大変なはずなのに、ちゃんと私のことも気にかけてくれる。
さすがは完璧人間さまだ。
レオ先パイに指示される通りに字を書くことを繰り返しているうちに、時間はあっという間に過ぎ去っていった。