ぱちっ。
マイクを手にした男の人と目が合う。
私がいる所から大分距離があるのに、すごいオーラを感じる。
あの人がレオさんだって、直観が訴えてくる。
黒っぽいさらさらしてそうな髪。
視力の関係上しっかりは見えないけど、すごく綺麗な整った顔立ちをしているように見える。
身長もあの中では1番高く、モデルさんみたい。
「とわぁ〜。先帰っちゃやだよ?」
「玄関で待ってるから、早く行っておいで?
待たせちゃってるみたいだし。」
「うぅ〜…。」
ポニテを揺らしながらステージ前へ駆けていく凛ちゃん。
よし。私も玄関行こう。
買ってもらったばかりのミルクチョコレート色のスクバを肩にかけて、1歩踏み出した。
私の高校生活のスタートです!