「ふぅ…。」


一段落ついて時計を見てみるともう15時半をまわっていた。



13時にここに着いたはずだからかれこれ2時間は勉強していたことになる。


時間たつの早いなぁ。




…ってあれ?


絶対凛ちゃんがうるさくすると思ってたのに全然気にならなかった。


なんでだろう?




「兎羽、集中力すごいね。」


右側から優しい声色の声が聞こえた。


「そうですか?」


「だって俺が髪触ってても反応しなかったよ?」


「え…?」


言われてみれば普段勉強してる時、耳にかけてもかけても降ってくる髪がまったくと言っていいほど気にならなかった。



そして気づいた頭の違和感。


右手で触ってみると、編み込まれているようだった。




「これ…。先パイがやったんですか?」


「さすがにゴムはなかったからすぐとれちゃうけどね。」


「……。」



やっぱりこの人よくわからない。


でも先パイの思い通りにはなりたくなかったから、先パイを少し睨みつけながら綺麗に編み込まれた髪を指でほどいた。



「ふふっ。

 兎羽はどんな髪型でもかわいいよ。」