「兎羽、いらっしゃい。」


「…レオ先パイ。」


凛ちゃんが玄関のドアを開けるとにこにこ顔の先パイが立っていた。




「急にどっか行くなよ〜。

 ってリン達か。やっほ〜!」


マサ先パイも現れた。


ユート先パイもいるのかな?



「兎羽、あがって。」


「は、はい。」


いつの間にか凛ちゃんは靴を脱いでいて、私がみんなを待たせてることになっていた。


急いで靴を脱いで揃えてからレオ先パイのあとに続く。




廊下をまっすぐ進んだ先にあるドアをレオ先パイが開けてくれて中へと促される。



「うっわぁ〜…。」


ついつい声が漏れてしまった。



案内された部屋は多分リビングルーム。



白を基調とした洗練された家具が置いてある。


机の上には教科書のようなものがたくさん広げられていて、ソファにはユート先パイが座っていた。




「時間ぴったりとは余裕だな、リン。」


「うっさい!

 別に寝坊したとかじゃないし!

 ただ教科書が見つかんなかっただけなんだから!」


「教科書ってなくならないだろ、普通。」


「え、うそ。」




「兎羽はここ座ってね。」


「わかりました…?」


ぎゃーぎゃー言ってる先パイ達(主に凛ちゃん)を放置して、レオ先パイが示したところに座る。



右側に平然とレオ先パイも座ってきた。


勝手に凛ちゃんが隣だと思ってたからちょっとびっくり。




私の向かい側にはユート先パイがいて、ユート先パイの隣でレオ先パイの向かいにマサ先パイが座る。



凛ちゃんはマサ先パイとレオ先パイ側の誕生日席的な位置でカーペットに座った。



「凛ちゃんソファじゃなくていいの…?」


年齢的にも生徒会歴的にも私が地べたに座るべきじゃない?


「んー?

 凛前来たときもここだったよー?」


「そうなんだ…?」


なんか慣れてるなって思ったら既に来たことがあったのか。




みなさんが勉強に手を付け始めたのを見て私も数学のテキストを広げる。


クラシック音楽が流れる中、黙々と解き進めた。