完璧人間サマは私に夢中。


4曲ちょっと経った頃。


突然私の右耳から音楽が聞こえなくなった。


「え…?」


「何聞いてるの?」


先程イヤホンを外された右耳に優しい声が届く。



「あ、これ聞いたことある。

 Mioriだっけ?」


「は、はい。」


イヤホンを片方取られてしまったから身動きが取れない。


というか動いていいのかわからず動けない。




「おいレオ。

 いちゃいちゃすんな。」


「そーだそーだ!勉強教えろ!

 てゆーかその頭分けろー!」



「はぁ…。2人共うるさい。

 兎羽だけ居てくれればいいのに。」


「「「………。」」」



私、凛ちゃんに連れてこられなかったらここに来てないんだけどな…。


冗談なのか本気なのかわからないけど。






「あーーー!わかった!!!」


凛ちゃんが急に叫んだ。


「とーわっ♡ちょっと来て!」


廊下に向かおうとする凛ちゃんについていく為、音楽を止めて左耳からイヤホンを取る。


レオ先パイからもう片方のイヤホンを回収して机に置き、凛ちゃんを追う。