「レオ先パイは…、
もう、私のことを忘れたんだと…。」
何も話さないレオ先パイに聞こえるようにつぶやく。
「大好きな兎羽の願いは
全部叶えてあげたかったからね。
忘れることなんてできるはずないけど、
頑張って何とも思ってないフリをしたんだ。」
「……。」
そんなフリをしないで、甘い甘いレオ先パイのままでいてくれたらこんなに時間がかかることはなかったかもしれないのに。
…自分が忘れろって言ったくせに、何考えちゃってるんだろ。
「兎羽はどうして俺と付き合うの、
拒否したの?」
「私は、レオ先パイと違って
何でもできる訳じゃないから…。
完璧なレオ先パイの隣に居続ける自信がなくて…。」
「なにそれ。かわいすぎ。」
繋がれた手が引っ張られ、レオ先パイの胸に飛び込んでしまう。
優しく私を包み込んでくれるレオ先パイ。
全身がレオ先パイのぬくもりに包まれて、心の中まであったかくなる。
「自信がないなら、俺があげる。
兎羽以上の人間なんていないんだからね。
兎羽、大好きだよ。ずっとそばにいて。」
耳元で囁かれる愛の言葉。
きゅんと胸が鳴り、腕をレオ先パイの背中にまわしながら言葉を返す。
「私も…、レオ先パイが大好きです。」
やっぱりまだ、完璧な貴方の隣に立つ自信はないけれど。
ゆっくりでいいや。
いつか、レオ先パイの隣にふさわしいと思ってもらえるようになるまで。
私のペースで、頑張ろう。
私に夢中な、完璧人間サマの隣に居続ける為に―――!
END