「兎羽、俺のものになって。
もう絶対に離さないから。」
「でも…。」
欲しいのは、否定の言葉なんかじゃない。
「無理だよ。
同じ後悔はしたくない。」
兎羽の涙をもう一度指で掬い、唇を重ねた。
2回目のキスも、過剰な程に幸せを湧き上がらせてきて。
もう感情を読む必要もないからと、目を閉じて唇だけに意識を集中させる。
角度を変えて、何度も何度も兎羽をついばむ。
そうしている内に、俺の首の後ろに何かが触れた。
目を開けて確認すると、兎羽の腕が俺の首にまわっているのがわかった。
痛いくらいに感じる感情。
嬉しい。愛しい。好き。大好き。
俺の、俺だけの兎羽…!
0距離のまま、兎羽と俺の瞳が絡まる。
それと同時に、勝手に感情を読み取る俺の頭。
兎羽、苦しいの我慢してるなんて、かわいすぎるんだけど。
苦しいのに、俺とキスするのが嬉しいんだ?
あー、やばい。幸せすぎる。