私の視線を感じたのか、ゆっくりとレオ先パイの顔が上がる。



目を、そらさなきゃいけなかったのに。



レオ先パイにとって、目を見るということは、感情を晒すことと同義だって、知っていたのに。




そらせなかった私の視線とレオ先パイの視線がしっかりと絡まり合う。




「兎羽は、ユートのことが好きになったの?」


「え…?」


つい驚いた声が漏れた。



レオ先パイが話した内容に驚いた訳じゃなくて、レオ先パイが見せた少し悲しそうな、感情のある表情に。


無表情じゃないレオ先パイに、心が揺さぶられる。



「どうして驚くの…?」



優しい…、威圧感のない安心する声。



レオ先パイには珍しい…、ううん、私にだけの、特別な態度。