「…2人きりだね。」
幻聴かと思った。
私の中にある消さなきゃいけない気持ちが、レオ先パイの声を作り上げたのかと思った。
声が聞こえた瞬間、反射的にレオ先パイを見てしまったけれど、レオ先パイは顔を上げずにパソコンを打ち続けていた。
返事をせずに、レオ先パイを見つめる。
こうやってしっかりとレオ先パイを見るのは久しぶりだった。
目を合わせても大丈夫だと自分に言い聞かせていたけど、本当はすぐにそらしていた。
見ないように、気にしないように押し込めていた気持ちがじんわりと漏れ出てくる。
その気持ちが、レオ先パイから目を離せなくする。
…今日も完璧な美しさとかっこよさを持ち合わせた姿。