「リンのクラス、本格的だったね。」
「…そうですね。」
凛ちゃんのクラス企画を全てこなして教室を出たのはついさっき。
にこにことご機嫌なレオ先パイに対して、私は少し不機嫌だ。
だって!ゲームの合間合間に過度なスキンシップをしてくるんだもん!
誰も見てないなら問題ない、とでも言うように、スキあらばちょっかいを出してきた。
レオ先パイ、絶対調子乗ってる。
「ふふっ、かわいい。
そろそろお昼食べよっか?」
「…はい。」
「兎羽は何か持ってきてる?屋台?」
「屋台で食べるつもりでした。」
「了解。グラウンド行こうね。」
手を繋いだまま、目的の場所まで歩く。
浴衣にローファーという謎な組み合わせになってしまいながら外に出る。
「席は…空いてなさそうだね。」
グラウンドにコの字型に並んだ屋台の真ん中には、食事ができるようにテーブルとイスが並んでいる。
でもお昼時の今は満席。
学食も解放されてはいるけど、きっとここと同じように満席だろう。
綺麗な浴衣を着せてもらっているから、花壇のふちとかに座るのは嫌だなぁ。
「兎羽、食べたいのある?
俺が買ってくるよ。」
「え?大丈夫です。
お小遣いありますし…。」
「気にしないで。
適当に買ってくるから待ってて。
席空いたらとっておいてね。」
「え…、ちょ…!」
言いたいことだけ言ってスタスタと行ってしまったレオ先パイ。
浴衣で歩きにくいはずなのに、すごい速さだ。
追いつけるとも思えなかったから、諦めてきょろきょろと空いてる席がないか見渡す。



