「はい!15秒終了時刻〜!

 レオ、離れて、今すぐに!」


「もう少し…。」


「ダメ!詰まる!」


凛ちゃんの声でハッと我に返る。



幸せとか、私何を考えてた…!?




「離してください…!」


ぐいっと腕に力を込めてレオ先パイの胸を押す。



でもレオ先パイの力に勝てる訳がなく、びくともしない。




「離して…!」


「仕方ないな。

 かわいい兎羽のお願いはちゃんと聞くよ。」



よかった、離れてもらえる…!



そう思って安心した瞬間。


ほんの少し私から距離を取ったレオ先パイは、私の頬にキスを落とした。




「なっ…!?」


「リン、離れたよ。」


「ほいほーい!

 んじゃ凛のゲームはこれで終わり!

 次にどーぞ♪」


私が抗議しようとしたのに、さらりとレオ先パイが凛ちゃんに声をかけたことによってできなかった。




「行こっか。」



いつもより子どもっぽい笑顔のレオ先パイが私の手を取って歩き始める。