「兎羽。最初のブースについたよ。」
「あ、はい。」
凛ちゃんのクラス企画はリアル人生ゲームという名前だった。
教室が手作りの壁で仕切られていて、順路通り進んでいくとミニゲームが始まる、そんな感じらしい。
「わっ、レオ様が来るなんて聞いてねぇ…。」
最初のブースのスタッフさんと思われる男の人がつぶやいているのが聞こえる。
同級生にも様付けされるって…。
女の人ならともかく、男の人に。
さっきレオ先パイのクラスで会った人は普通にタメ口だったけど、どういう違いなんだろう?
「こ!こちらはあなたの職業が決まるミニゲームです…!
視野の広さや行動力が職業を決めます!」
焦りながらもなんとか説明をしてくれるスタッフさん。
要するに職業の適正を見るという名のもぐらたたきだ。
「2人でやれるのかな?」
「は、はい!やれます!」
「じゃあ一緒にやろうか。
浴衣でいつもより動きづらいと思うから
気をつけてね。」
「はい。」
ハンマーのようなものを渡され、ゲームが始まる。
叩いていい子は叩いて…、叩いちゃダメな子は叩かないように…。
集中してやったら制限時間の20秒はあっという間に終わってしまった。



