「ちなみに、
レオくんは兎羽ちゃんに何て話したの?」
「自分の感情を感じられず、
他人の感情を読み取ることに長けている
って感じですかね。」
「ま、的は得てるな。」
「まぁ俺は諒さんと違って
兎羽相手なら感情持てるので、
ただの感情読み取るのが上手い人ですから。」
「ケンカなら買うぞ?」
「諒くん威嚇しないの。」
会話を聞きながらパンケーキを食べ進める。
こうやって会話しているのを見ると、中身を気にしなければ普通の人達と同じに見えるのにな。
「ま、玲旺が言ってることだけ伝えてんなら、
オレが言えることは1つだけだな。」
「どう考えても
自分を好きになってもらいたいレオくんからは
言えないだろうしね。」
風越さんが何を言おうとしてるのかわかるのか、咲雪さんも言葉を紡ぐ。
「俺だって兎羽を無理矢理
自分の物にしたい訳じゃないですから。
ちゃんと兎羽に判断してもらいたいので。」
レオ先パイ、そう言う割に普段ぐいぐいくる気が…?
今日だって周りにバレて嬉しそうにしていたし。
「一応先に補足しておくね。
今の諒くんは作ってない状態で、
感情がないことがなんとなくわかると思うの。」
「はい。」
私のことを見るレオ先パイの柔らかい甘い瞳と違って、風越さんは咲雪さんを見ていても冷たく鋭い。
「でもね、普段からこんな状態じゃ、
みんな怖がって距離を置いちゃうでしょ?
だから諒くんは常に感情を
"作ってる"の。
演じてるって言ったらわかりやすいかな。」
「何も感じねぇけど、
他の人と同じように喜怒哀楽を表現してる。」
「百聞は一見に如かず。
諒くん、お願いします。」
少し眉を下げて寂しそうな顔をした咲雪さんは風越さんの瞳を見つめる。
風越さんもそれに応じて、咲雪さんに視線を移すと。



