「兎羽、俺のこと好きになった…?」
すごく弱々しい、こちらの様子をうかがうような言い方。
どうして?
なんで私がレオ先パイを好きになったのがわかるの?
今の短い時間で認識した恋心を、すぐにレオ先パイがわかるはずがない。
誰にも言ってないのに。
そもそも自分でも認めたくないのに。
「何のことですか…?」
いつもみたいに、突き放そうとしたけど、少し声が震えてしまった。
「…ごめん。一旦落ち着こう。
レモンティー淹れてくる。」
スッと立ち上がってキッチンと思われる方へ行ってしまったレオ先パイ。
正直、すごくありがたい。
混乱している頭を必死に整理する。
まず私は、レオ先パイが好き。
…認めたくないけど。
でも、すんなりと違和感なく入ってきた。
認めたくないけど、やっぱりレオ先パイへの気持ちは恋心で間違いないんだと思う。
私の気持ちはとりあえずはっきりしたし置いておこう。
次に考えなきゃいけないこと。
それはなんでレオ先パイが動揺してたのか。
私が混乱してても、レオ先パイからしたら何に混乱してるかなんてわからないはず。
なのにレオ先パイはつぶやくように私がレオ先パイのことを好きになったかを確認してきた。
どう考えても、レオ先パイは私の心を読んでいるようにしか思えない。
そんな非現実的なことしか思いつかない。



