翡翠と鳥居で別れてからは、デュパンでのバイトと家の往復。

一人の家は淋しくて嫌だったのに、週末には翡翠に会えると思うと

不思議と淋しさは消えていた。

数日たち、今日は翡翠に会える週末、朝からソワソワして落ち着かない

デュパンでもマスターや常連の岩井さんに、

「今日のるーちゃんは、なんか落ち着きがないね」と言われてしまった。

平静を装っていても、バレバレらしい。

閉店の時間になると、急いで着替え「お疲れ様でした!」と足早に

お店の外に出た。

駅の改札を抜け、公園への道を歩く。

もう直ぐ公園という所で、目の前に綺麗な花々があらわれた。

「お帰り」

「ひ、翡翠!」

それは、翡翠が手に持った、綺麗な花束だった。

「はい、瑠璃にプレゼント」

「あ、ありがとう!」

「一緒に帰ろうか」「うん」

手を繋ぎ、二人で帰る家までの道のりは普通の恋人同士みたいで

くすぐったさを感じた。