「あぁ、紫黒(シコク)か。瑠璃、鬼の若頭領の紫黒、俺の幼馴染みたいな

 ものだ。種族は違うが、こいつとは気が合うんだ。」

「お嬢さん、初めまして。」

「初めまして、瑠璃です」

「翡翠が女連れとは、珍しい。嵐でも来るんじゃないか」

「エッ!そうなんですか?」

「あぁ、翡翠は女嫌いで俺が知る限り、今まで女といた時はないな。」

「紫黒、余計なことは言うな。」

そう言う翡翠の顔を見ると、ほんのりと赤く染まっていた。

こんなに綺麗な翡翠のことだから、今までいろんな女の人と付き合って

きたのだと思っていたが、違ったらしい。

その事に、ホッとして嬉しく思う自分がいた。

「まあ、二人で俺達の祭りを楽しんでくれ。今度ゆっくり酒でも飲もうぜ」

「あぁ、またな」