「おめでたって・・・赤ちゃんができたということですか?」

「そのようですね」

「翡翠、赤ちゃんだって・・。」

翡翠は茫然とした様子で立っていたが、次の瞬間

「赤ちゃん・・俺と瑠璃の赤ちゃん!」

そう言って、嬉しそうに私を抱きしめた。

その時になって、嬉しさと同時に不安が押し寄せる。

「蘇芳さん、妊娠ってどうしたら良いですか?私、人間の病院に

 行っても大丈夫なんですか?」

蘇芳さんは、私の不安が分かったのか

「瑠璃殿、私が定期的に診ますから安心してください。

 出産は、妖狐の産婆がおりますし、産み月が近くなったら、屋敷に

 戻りましょう。」

と提案してくれた。

翡翠もそれでいいというように、頷いてくれた。