声をかけるタイミングを失い、ふたりのあとをとぼとぼと歩く。話の内容は抽象的で、何の話か理解できなかった。 やっと社が見えてきたところで、会話がひと段落着いたらしい。 「あ、あの」 恐る恐る声をかけると、ふたりははっと振り返った。 「あの、今のって」 「ごめん麻ちゃん、話し込んじゃって。気にしないで大丈夫だよ、大したことじゃないから」 すぐに、もう一度ごめんごめんと片手をあげて微笑むと、三門さんは不自然に話題を切り替えた。