あれ、私変なこと言ったかな。
「それはみくりたちの前で言わない方がいいぞ」
がしがしと乱雑に頭を撫でられて余計に首を傾げる。
「話がそれてしまったけど、昨日幽世で何があったのか教えて」
「あ……えっと」
順を追って話し始めた。
鬼門を通って幽世に入ってからすぐに仁吉のもとへ行ったこと、仁吉に言われて六花の所へ行ったこと。その帰りに、突然みくりが「何者かにつけられている」と言い、皆で逃げるように現世へ戻ってきたこと。
険しい顔をしながら健一さんと三門さんは私の話を聞いた。
話を終えると難しい顔で黙り込む。
「────どう思いますか、健一さん」
「こっち側の妖か」
「その線が濃いですね」
ふたりは真剣な目で話し込み始め、私一人だけ会話について行けなくなった。

