あやかし神社へようお参りです。②



 「ただの日射病やな」


 四人揃ったところで仁吉が口を開いた。


 「日射病?」

 「あんたらヒトの世界にもある病やろ。まあ雪童子にとっては厄介な病やけど」

 「俺、溶け始めてるわけじゃないの……?」

 「溶けとるわ阿呆。腕一本なくしとるやろ」


 ぴしゃりと叱りつけられて富岡くんは肩を竦めた。


 「話聞くに、あんた生まれたその年からずっとヒトの世界に入り浸ってたんやろ。後先考えず陽の光浴びてたら、そら直ぐに溶けるわな。雪童子は大人になれんていうけど、四十年近く生きるのもおるんやで」

 「そうなの!?」


 身を乗り出した富岡くんに、仁吉は顔をひきつらせた。


 「……まあ、あんたまだ十六かそこらやろ? そうそう溶けるもんちゃうし、薬飲んで涼しい所でちゃあんと養生したら、あとニ三十年は天下やで」


 目を見開いたまま固まっていた富岡くんはやがてくしゃりと顔を顰めた。嗚咽交じりに「良かった」と漏らす姿に胸が熱くなる。雪ちゃんがぽろぽろと涙を零しながら富岡くんの手を握る。