あやかし神社へようお参りです。②



 三門さんが言いたいことは分る。詩子の名前を出したのは、ひな人形の一件を思い出せと言っているのだろう。目には見えないものに脅かされ、恐い思いをした記憶はまだ新しい。

 三門さんは私にいつも言っている。“善良な妖ばかりではない”と。さんざん言われ続けてきて、それは私も理解しているつもりだ。危険な妖もいる。みんながみんな、葵やケヤキのように人に好意的ではないということ。


 「でも、富岡くんを助けるためにはどうしても行かなくちゃいけないんです」


 私がそう言うと、三門さんは険しい顔で健一さんをじろりと睨む。


 「そう睨むなって。ったく、お前は過保護すぎるんだよ」

 「過保護で何が悪いんですか!」


 もう一度バンと手を付いた三門さんに、今度は健一さんが大きな声を出した。

 三門さんがこれほど激怒しているのには訳がある。話は一時間前にさかのぼる。