あやかし神社へようお参りです。②




 嗚咽を漏らすまいと口元を押さえた。けれども涙が零れてしまって、富岡くんの布団の上に落ちる。すると富岡くんの瞼がわずかに震えて、やがてゆっくりと目が開いた。富岡くんは私の姿を映すなり勢いよく布団に潜り込む。


 「入ってくるなって言っただろ! なんでっ────」

 「蛍ちゃん……?」


 聞き覚えのある声に、富岡くんは布団を弾き飛ばして起き上がった。


 「な、なっ」

 「私が連れてきたの。勝手なことをしてごめんなさい」


 私の後ろに座っている詩子と雪ちゃんに、富岡くんは目を見開いた。


 「全部話したよ。それで、富岡くんの過去も勝手に教えてもらった。富岡くん、社に連絡したのは、まだ溶けてしまいたくないからだよね」


 その瞬間、ひどく顔を顰めた富岡くんは布団に顔を埋めた。


 「どんなに辛くても、悲しくても、人の傍で生きたいって思ったんだよね」

 「やめろよ! 言っただろ! もうどうでもいい、俺のことなんか忘れてとっとと出て行けよ!」

 「やめない。本当の気持ちを教えてくれるまでやめない! まだ溶けたくないんだよね? どうなったっていいなんて嘘でしょう?」