あやかし神社へようお参りです。②



 「虚しいからだよ。人は虚しい、悲しい生き物だからだ」

 「何だよそれ。ろくに人と関わらなかったくせに、どんなに温かいか、幸せか、優しいか、知らないくせにっ」

 「蛍雪」

 「兄やは、俺の家族でも何でも何でもないくせに!」


 乾いた音が響いた。そんなに強くないはずなのに、太吉と喧嘩して殴られた時よりも痛かった。六花を視界に入れないように勢いよく布団にもぐった。一瞬見えてしまった六花の顔は、自分よりも傷ついた顔をしていた。

 そして蛍雪は次の朝、慣れ親しんだふたりの家を飛び出した。