その日から何度も話を持ち掛けたが、六花は取りつく島もなく断った。次第にふたりの口数は減っていった。あれほど大好きだった六花の存在が鬱陶しく思えて仕方がなかった。
そしてある日、いつもの話し合いはやがて激しい口論になった。
「なんでいつもいつもいつも! 兄やは俺の話を聞いてくれないんだ!」
「聞いている。聞いたうえで、駄目だと言っているんだ。せめて三度目に生を享けてからでも良いだろうと言っているんだ」
「おれは直ぐにここを出たいんだ!」
「どうしてそこまで人にこだわるんだい」
声色が諭すものになった。いつもこの声になると話を打ち切られる。堪るものかと声を荒げる。
「兄やこそ、何故人と関わろうとしないんだ! 雪童子は妖の中でも特別人を愛する妖だって、そう教えたのは兄やだ!」
深い溜息を吐いた六花は額に手を当てた。

