やがて雪が少しずつ解け始める頃になると、六花は蛍雪に荷をまとめるように伝えた。雪童子が人里で夏を過ごすことはできないからだ。現に日のある小春日和はよく体調を崩した。 「兄や、おれ帰りたくないよ」 太吉たちと別れる寂しさに毎晩泣きじゃくる蛍雪を六花は抱きしめた。 「次の冬にまた来ようね」 「ほんとう?」 「約束だよ。私はうそをつかない」 小指を差し出した蛍雪に、六花は微笑みながら小指を絡めた。