太吉は小指を差し出した。蛍雪が首を傾げると、同じように小指を出すんだと教えた。蛍雪の小指に自分のを絡めた太吉は「指きり。約束する」と笑った。蛍雪はどうしようもなく嬉しくなって、小指に力を込めた。 「いたい、お前の指冷たいぞ」 「おれ雪でできてるから」 「うそつけーっ」 太吉がわざとらしく拳を振り上げたので、蛍雪も大袈裟に「ぎゃーっ」と叫びながら走り出した。