あやかし神社へようお参りです。②



 雪ちゃんの言葉が胸に刺さった。


 『蛍ちゃんは、蛍ちゃんなのに』


 その通りだ。

 富岡くんは富岡くんだ。妖であろうと、雪わらじであろうと、雪ちゃんにとっては唯一無二の幼馴染だ。でも、でも。


 「……ねえ、雪ちゃん」


 駄目だ。駄目だってわかっているのに。

 もし本当のことを話したところで、雪ちゃんに信じてもらえるかどうかは分からない。信じてもらえたとしても、雪ちゃんや富岡くんを悲しませる結果になるかもしれない。

 でも、もしかしたら。


 「私、富岡くんがどこにいるのか、どういう状況なのか知ってるの」


 雪ちゃんの目が大きく見開かれる。雪ちゃんよりも先に詩子が私に詰め寄った。


 「どういうこと!? どうして麻が知って……」


 言葉を不自然に止めた詩子はなんとなく勘付いたらしい。

 雪ちゃんが私の目をじっと見つめ返した。疑うようにその奥の瞳が揺れている。

 もしかしたら何かが変わるかもしれない、そう思ったのだ。


 「雪ちゃんは、富岡くんがどんな姿でも信じてあげられる?」


 揺れていた瞳が強く私を見据えた。


 「────蛍ちゃんは、蛍ちゃんだよ」