かげぬいは太陽へ一直線に飛び上がった。溢れ出す感情のまま声高に鳴き声を上げる。拍子木を打ち鳴らしたような空気を貫く澄んだ声が響き渡った。 少女は静かに目を閉じて、それに耳を澄ませた。 「龍の鳴き声のようね」 少女はうっとりした声でそう漏らす。 「明日は、かげぬいが空を飛ぶ姿を書こうかな。ねえ、かげぬい。明日もここで待っていてくれる?」 その日の夜、町は戦火に飲まれた。 雨に打たれ、風に吹かれ、それでもかげぬいはそこを動かなかった。かげぬいは少女を待っていた。