あやかし神社へようお参りです。②





 「あなた、ここが寝どこなんでしょう? だって同じ鳥が寝どこでもない木に三日三晩もいたりしないもの。ふふ、良かった! これで心置きなく続きを描ける」


 以津真天はまた同じ木にとまって浅い眠りを繰り返していた。明け方近くまで夜空を飛んで気が付けばこの木にまた戻っていた。特別居心地が良いという訳でもない、なんなら昼間はこうしてあの少女がやってきて騒がしいくらいなのに。

 少女の言葉に返事はしない。最初から返す気がなかった。


 「ねえ、あなた。野いちごは食べる? この近くで採ったの。昨日、助けてくれたお礼」


 うっすらと目を開けると、少し汚れた手ぬぐいに、野いちごが数粒転がっている。以津真天が動かないのを見かねて、少女は肩を竦めそれを根元に置いた。
 スケッチブックを広げながら、少女は唇を尖らせる。


 「貴方って、親切なのか意地悪なのか、よく分からないひとね。ああ、ひとではないか」


 少女の声色は優しかった。季節が夏に移り変わるころには、それが心地よくなっていた。