あやかし神社へようお参りです。②



 『争って、負けて、同じ道を歩く』

 『そしてまた争う』

 『争う、負ける、争う、負ける』

 「違う、日本は負けない」


 言い聞かせるように強く言った。妖たちはくすくすと笑う。どうかな、それはどうかな、と意地悪く囁く。少女は顔を顰める。その時、頭上の木がばさばさと大きく揺れた。皆が口を閉じ顔をあげる。

 一番太い枝にとまっていた以津真天が、そのぎょろりとした目をしっかりと開いて少女と妖たちを見下ろしている。

 少女はまるで吸い込まれるかのように、その瞳をじっと見つめた。夜空を移すような深い藍色の瞳がとても美しかった。

 気が付けば、妖たちはぞろぞろと森の奥へ帰っていった。

「助けてくれたの?」


 少女がそう問いかける。以津真天は返事をすることなくその大きな目でじっと少女を見つめる。少女は肩を竦めた。


 「貴方の目、初めてちゃんと見た。翼と同じでとても綺麗ね」


 以津真天は直ぐにまたいつものように翼に首を埋めた。