少女は日が傾くころに、名残惜し気に帰っていった。 「明日もここにいる?」 そう問いかけたが、答えはない。以津真天は寝床を定めない妖だ。夜の帳が降りる頃には、その大きな翼を羽ばたかせ闇に飛び立つ。夜の間に何千と言う距離を飛び回る。 月がのぼり、以津真天は翼から顔を出した。そして二三度、つばさを大きく羽ばたかせ夜の空に飛び立った。