良い所を付いていると思ったんだけどなあ。
ううん、と首を捻って考えを巡らせていると、一番重要なことを見落としていることに気が付いて「ああっ」と声をあげた。隣に座っていたかげぬいがびくりと肩を震えさせ目を丸くした。
「その“誰かさん”、妖が見える人……!」
ですよね、と振り返ってかげぬいをみる。かげぬいは「ああ、たしかにそうです」と目を瞬かせた。
影縫いの話からすると、その“誰か”はかげぬいと話すことができ、妖であるかげぬいの姿を見ることができるということ。
となるとぐっと範囲は狭まるはずだ。“妖が見える”ということなら、三門さんが何か知っているかもしれない。
するとかげぬいは申し訳なさそうに眉を下げる。
「私なんかのために、申し訳ないです」
「そんなことないですよ」
「もし見つからなかったとしても、巫女さまはどうか気に病まないでくださいね。待つことも年寄りの楽しみですから。ゆっくり、のんびり、待ってみますよ」
かげぬいはふと手元の湯飲みに視線を落として柔らかな笑みを浮かべた。
「いつまでも、いつまでも」

