夕食とお風呂を済ませた後、いつものように巫女装束に着替えた。
────お星さん昇った 遊びましょう 妖狐こんこん こんばんは
白衣の袖に手を通していると、子どもたちがわらべ歌を歌いながらはしゃいでいる声が聞こえる。今日の裏の社は賑わっているようだ。
「お月さん沈んだ また明晩 提灯小僧と はよ帰ろ」
子どもたちの声に合わせて私も口ずさむ。不思議でどこか懐かしい気持ちになるこの旋律が好きで、聞いているうちにいつの間にか歌えるようになっていた。
部屋から出てみればどの部屋のあかりも消えていて、三門さんはすでに社頭に行ったのだと分かった。
音のしない廊下を静かに歩いていると、ふと何か物音のようなものが聞こえて足を止める。首を傾げた。また家鳴の悪戯だろうか。振り返って耳を澄ませる。
────か、よ、……誰かいねえのかよ!
声は風呂場の方から聞こえた。
やっぱり誰かいる、と顔を強張らせる。今自宅にいるのは、私以外に数匹の家鳴くらいだ。しかし家鳴はひとの言葉を話さない。じゃあ一体誰が。

