こくこくと頷いて親指と人差し指で作った丸を三門さんに見せる。ありがと、と口だけを動かした三門さんは、また誰かと話し始めた。
直ぐに着替えて社務所に顔を出すと、ババとみくりたちがくつろいでいた。
「おかえり麻。おや、友達と遊びに行くのかい?」
ティーシャツにレギンスパンツ、上着を羽織った私の服装を見たババが嬉しそうに微笑む。
「こんな社を毎日のように手伝っていたら、気疲れしてしまうだろう? 若いうちはたくさん遊べばいいんだよ」
うんうん、と頷いたババに苦笑いを浮かべる。
「違うのババ、三門さんにお使い頼まれたの」
ババはそれを聞くなり深い溜息を吐いて額を押さえた。
「おい、小娘を甘やかすな! 結守の巫女の血筋を引き継いだからには、毎日ユマツヅミさまに奉仕するのが当然だ!」
ふふん、と鼻を鳴らして偉そうな顔をしたみくりの頭を、ふくりの尻尾が叩いた。きゃいきゃいと吠えて喧嘩するふたりに苦笑いを浮かべる。
「友達と遊ぶ時間も大切なんだよ、麻。社の手伝いは、そんなに気負うものじゃないんだから」
「うん、ありがとババ。でも、私がしたくてしてることだから大丈夫だよ」
ババは呆れたように、でも優しい顔で私の頬を撫でた。

