翌日、朝から賀茂くんの姿を探していたけれど、結局放課後になっても見つけ出すことができなかった。
そもそもコースの選択が異なるので教室も隣り合っていないし、頻繁に見かけられるわけじゃない。昼休みには詩子に付き添ってもらって教室を見に行ったが、そのすがたはなかった。私一人が賀茂くんに会ったところで何かが変わるとは思っていないのだけれど、どうしても会って話がしたかったのだ。
肩を落としながら帰ってくると、居間のほうから三門さんの話し声が聞こえた。
この時間に自宅にいるのは珍しいな、と自分の部屋を通り過ぎ居間を覗く。誰かと通話中の三門さんは、私と目が合うなり片手をあげて微笑んだ。
受話器を肩と耳の間に挟んでメモ帳にすらすらと何かを記入すると、それを私に差し出す。首を傾げながら受け取る。
『社務所の机に、軟膏が置いてあります。日のあるうちに、それをかげぬいの所まで届けてほしいです。居場所はふくりかみくりを連れて行けば、わかるはずだから』
そう書かれてある。

