あやかし神社へようお参りです。②



 「なに、ちょっと呪を受けてしまっただけで、たいした怪我では」

 「嘘を吐け。やけどのように腫れあがっておったわ」


 眉間に皺を寄せてかげぬいの前に膝を付いた。手を差しだすと、観念したように苦笑いを浮かべて手を差しだす。

 綺麗な白い羽の一部に血が乾いてしまったような跡が見え、思わず顔を顰めた。


 「痛い……?」

 「心配には及びません。もともと、この羽はもう使い物にならないのです。年老いてしまったこの身では、空を満足に飛ぶこともできない」


 かげぬいは私の手をそっと解くと袖の中に隠してしまった。「でも」と口ごもると、かげぬいは小さく首をふる。その笑顔にそれ以上は何も言えなくなってしまい、目を伏せた。

 空気をかえるように円禾丸が「そう言えば麻は何をしていたんだ?」と尋ねる。そこでハッと立ち上がった。

 三門さんから、妖たちを社務所へ呼んでくるように頼まれていたのだ。


 「私、もう行くね。お爺さんもあとで社務所へ来て。ご飯作ってるから」

 「ありがとうございます、巫女さま」


 丁寧に頭を下げたかげぬい。円禾丸が「それでは最後に」と呟いてまた私の頬を引っ張ってきたので、小さくため息を零した。