あやかし神社へようお参りです。②



 せめて家へ帰ってゆっくり休めるといいんだけれど、なんて考えながら、まだ社務所へ向かっていない妖がいないか探していると、本殿の裏の壁、宝物殿《ほうもつでん》へとつながる扉が半開きになっているのに気が付いた。

 ぎょっと目を見開いく。宝物殿は神社へ寄進された宝物を収める場所だ。とても価値のある書物や品物が保管されている。

 慌てて駆け寄ると、何やら中から笑い声が聞こえて、私は首を傾げながらそっと扉をあけた。


 「ん? なんだ、麻ではないか!」


 入るなりそう声をかけられて目を瞬かせる。薄暗い室内にやはり誰かがいるようだ。


 「誰……?」

 「ああ、ひとの子ではこの暗さはつらいか。いま火を灯そう」


 暗闇の中の誰かがそう言って、ひとつ柏手を打つ。

 その瞬間、室内の四隅にあった松明に火がともる。眩しさに目を細める。やがて目が慣れると、中にいたふたりの顔がはっきりと見えるようになる。ひとりはよく見知った顔だった。