サイは大陸横断鉄道に乗っていた。

オルセーヌ・オルファンとともに。

オールドルナ海軍が保有する防空潜水艦、サンダルフォンの修理施設を視察するのだ。

大陸横断鉄道には他にも技術者や警備員が乗っていた。
オルセーヌ・オルファンが警備の指揮をとる。

「怪盗が出たんですよ」とオルセーヌ・オルファン。

「なんでも護送中の怪盗が逃走してるそうで」

「この列車内を?」とサイはノートPCから目を上げて思わず間抜けな声を出してしまった。

「ええ。
漫画みたいな展開ですがね」

「警備員は?」「何でもその怪盗、
変装の名人だそうで」