2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~

そんな話をしながら、私達は、隣同士に並んで、ゆっくり駅に向かった。


今は…大丈夫。


樹さんが側に居てくれるから…


大丈夫だよ…


うん、大丈夫…


だって、今日は、楽しかったんだから。


でも、会話が途切れて、黙って歩いてたら…


やっぱり…


自然に涙が溢れて…


どんどんこぼれ落ちてく…


我慢しなきゃ、泣いたら、樹さんに心配かけちゃうよ。


せっかく、一生懸命、私を励ましてくれたのに…


一緒に、ボーリングして、ラーメン食べて…


笑って…


なのに、何で、こんなに涙が出るんだろう。


胸が苦しくて痛いよ。


柊君…何でよ…


本当に…大好きだったのに…


ごめんなさい、樹さん、私、やっぱり柊君のことが頭から消えない。


声を出して…泣きたい。


あ…


そう思った時、樹さんが、大きな手のひらで、私の頭を優しく…撫でてくれた。