夕飯が終わり、次男は自室に引き上げて行く。私が後片付けを終えて、食卓に顔を出すと、夫はいつもの通り、ナイタ-中継を見ている。


「どう、勝ってる?」


「ああ。」


ホントは聞くまでもなくわかってる。ごひいきチ-ムが勝ってる時と負けてる時じゃ、顔が全然違うんだもん。ごきげんな夫の横に、私はポスンと腰を下ろす。


すると、夫は私の肩を抱き寄せ、私の顔を、自分の方の向けると突然チュッ。びっくりしたけど、もちろん嫌じゃないから、私も積極的に応じる。


だけど、少しエスカレ-トして、私の胸に手を伸ばしてくるから


「ダメだよ。」


と慌てて身体を離す。


「なんで?」


「だって、清司が降りてきたら、どうするのよ?」


「大丈夫だよ、今頃は疲れてベッドでへたってるよ。それにもう、今更親がイチャイチャしてるとこ見て、ショック受ける齢でもないだろ。」


と言って、私の肩をまた抱き寄せると、敏感な頂を服の上からコロコロ、クリクリして来る。


「もう。」


と言いながらも、結局許しちゃう。


「可愛い。」


「えっ?」


「恥ずかしそうに、顔赤らめちゃって。その朱美の顔がたまんない。」


「バ、バカ。」


慌てて離れようとするけど、全然無理。夫に捕まったまま。


「それにこれやると、G勝つんだ。だから毎日でもやりたいくらい。」


「・・・。」


「朱美は、勝利の女神。そして俺の大切な宝物。」


「隆司さん・・・。」


一瞬見つめ合うと、またキスが降ってくる。


「今日、このままG勝ったら・・・やろうな。」


という夫の言葉に


「えっ、負けたらしないの?」


と思わず言っちゃって、次の瞬間ハッとして夫を突き放すと


「知らない!」


と言って、キッチンに逃げちゃった。


いい歳したバカップルですみません・・・。