「離婚届って、婚姻届と違って、なかなか夫婦揃って出しに行く人いないから、提出してから2週間くらいで、離婚届を受理したっていう通知が当事者に届くんだよ。それが届かないってことは・・・さ。」


「知らなかった・・・。」


「私も・・・。」


「ついでに言うと、離婚届は24h受付、郵送提出も可。お二人とも、物を知らな過ぎ。」


「って言うか、兄貴こそ、なんでそんなに詳しいんだよ?」


と少々呆れ顔で聞く次男。


「そりゃ、気になって調べたからだよ。今どき、ネットで調べりゃすぐわかるよ。」


「・・・。」


なんか長男の独壇場になって来た・・・。


「それに気付いたから、お前はこんなメールを送って来たのか?」


そう言って、夫が差し出した携帯に目をやった私は


(えっ?)


思わず、顔が赤らむ。だってそこには、さんざんもめた挙句、長男に撮られた、何とも言えない表情をした会社の制服姿の私が・・・。


『おたくの嫁さん、ヤバいよ。この人を、野に放ったままでいいの?誰かに持ってかれても、知らないからね。 重症のマザコン息子より』


なんてメッセージ付き・・・もう。


「送られて来た写真見て、確かにと思っちゃったよ。もともと一回ケジメ付けて、改めて口説くつもりだったけど、さすがに3ヶ月くらいは間、置くつもりだった。でもこのメール見て、不安になって、慌てて次の日、お母さんのとこに行ったのは、事実。」


「そうだったの・・・?」


なんなんだろう、この父子は・・・。


「じゃ、やっぱり俺、いい仕事してたんじゃんか。」


と自慢げな長男だったけど


「ふざけんなよ!」


突然怒声が。見れば、次男が長男を睨んでる。